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バックアップシステムが必要ない環境構築とは。

2021.05.15

先日、Apple macOSに搭載されているバックアップシステムであるTime Machineが相当優秀であり、私が使っているちょっと特殊な仕組みも紹介しました。すべてのMacユーザーは知っておいて損のない仕組みですし、使える環境であれば使わない手はありません。

しかしながら、物理的なバックアップストレージが直接、もしくはネットワーク経由で必要であること。実際問題、ハードウェアやネットワーク上のトラブルが割と多いことから、少しハードルが高いとも言えます。とはいえ、ビジネスで使っている場合には多少のセットアップがあってもやるべきかと思います。

ただ、もうひとつそもそもそういうバックアップを取らなくても良いような運用もあり、実際に私自身はTime Machineはメインマシンのみに設定していて、それ以外のマシンでは利用していません。Time Machineバックアップシステムは1台につき、1つのバックアップになるため、保存先が1つにまとめられたとしてもそれぞれがバックアップを取る必要があります。

私は複数のマシンを使い分けているため、それぞれにバックアップシステムが必要となります。私の場合は少し極端な例ですが、オフィスではMac Proがあり、自宅にはiMac Proがあります。それに加えてMacBook Pro 15インチとMacBook Pro 13インチ(M1)がありますので、4台を使い分けています。それぞれのローカルのファイルを作ってしまうとバックアップもそれぞれに取らなければいけませんし、何かのファイルを探すときにどのマシンでのものなのか分からなくなってしまいます。

そこで、私はこのマルチマシンであるということと、バックアップするということ自体をなくすための運用をしています。

すべてをクラウドサービスで完結する

そもそもバックアップしたいデータとは何でしょうか。基本的には仕事で使うドキュメント類(WordやExcel、PDFなどのアプリケーションが使うファイル)、写真などがあると思います。

私はこれらをすべてクラウドサービスをベースにしています。主たるツールとしてGoogle Workspace(Gワーク)に一元化していて、WordもExcelも使っていません。ファイルはすべてブラウザー経由でクラウドデータを直接編集していますので、ローカルにデータは存在していません。

私はメールをすべての情報の入口にしています(これについてはいつかしっかりと書きたいと思います)。GワークのGmailを利用しているため、データはクラウドにあり、Chromeでアクセスするか場合によってはmacOS Mail.appで利用していますが、当然これらはマシンに依存していません。

ローカルに保存せず、保存する場合にはクラウド同期させる

一時的にでもローカルに置く必要があるファイルがある場合には、デスクトップに適宜フォルダーを作成して入れており、これをiCloud経由で同期させています。これにより、すべてのMacのデスクトップは同じファイルが表示されている状態になるので、オフィスなり自宅でやっていた作業がそのまま外出先でMacBookでも開けるようになります。

一時的ではないファイルはすべてGoogleドライブ(Gドライブ)に入れるようにしています。現在はほとんどが社内なり外部のパートナーと共有ドライブを作成して、そこで一緒に使っているのでそこに保存することばかりです。

前述のデスクトップとGドライブの棲み分けは、デスクトップはmacOSにおける「バージョン」に対応していることと、ファイルを閉じなかったときの挙動がデスクトップの方が問題なく運用できるからです。たとえば、デスクトップで作業をしていて、外出するときにファイルを閉じなかった場合、Gドライブ上だとそのファイルを別のマシンでアクセスして編集すると挙動がおかしくなることがありますが、デスクトップ側だとmacOSのバージョンと絡んでいるのか分かりませんが、問題なく使用して編集や保存を続けることができます。Gドライブはファイルサーバーのようなものなので、独自のバージョン管理がないことが差なのだと解釈しています。

気をつけなければいけないのは、ダウンロードフォルダは同期でないので、なにかしらをローカルにダウンロードした場合にはデスクトップ(iCloud連携)に移動させるか、Gドライブに移動させ、使用したら削除するという運用が必要です。iCloudでダウンロードも統合してくれると、より運用が簡単になります。もしくはダウンロードしないと見られないような仕組みにしないでもらうのが一番良いです。

写真とGoogleフォトの併用

写真は今のところGoogleフォトとAppleの写真を併用しています。iPhoneだけでなく、NuAns NEO [Reloaded]やPixel 5も併用しているため、Appleの写真アプリだけでは管理できず、Googleフォトも併用しています。また、macOS上で他のアプリケーションと連携するときにGoogleフォトはクラウドデータをブラウザーで閲覧しているだけなのでローカルにダウンロードしないと作業ができないので、写真アプリの方が使い勝手が良いということもあります。

いずれにせよ、これらもすべてクラウドにデータがあり、それを閲覧して編集するとクラウドデータが更新されるので、マシンに依存しない運用となります。

バックアップがいらない環境

この運用をしている限り、クラウドサーバーが吹っ飛ばなければ、バックアップは必要ないといえます。Gワークでは、システム全体としてバックアップサービスも使っているので、ファイルの復元なども可能になっています。Googleドキュメント(Gドック)やGoogleスプレッドシート(Gシート)などはひとつひとつの作業の履歴がすべて保存されるので、元に戻すことも容易ですから、特にファイルをたくさんバージョン毎に持つ必要性もありません。

そして、すべてをクラウドサービスで運用することで、たとえマシンが何かの理由で故障してしまったとしても、元々4台のマシンで同時並行して使っているわけですから、特に問題なく別のマシンにも移行することができます。

というように、ローカルにファイルを置かなければバックアップすらも必要ありませんし、万が一に時にもすぐにマシンを移行することができますので、オススメです。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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